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睡眠中の鼻づまりの原因は?眠れない夜の対処法

夜の寝室でベッド脇に置かれた目覚まし時計

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目覚ましが鳴る1時間前に、口の渇きで目が覚める。

夜のあいだ何度も鼻が詰まって、そのたびに口で息をしていた自覚がある。起き上がるころには少し通っていて、日中は忘れている。そして布団に入ると、また同じことが始まる。

今日も出社なのに、と思いながら検索している方に向けて書きました。

夜の鼻づまりには原因がいくつもあり、片側だけかどうかで見当のつけ方が変わること。市販の点鼻薬を毎晩使うことには、学会がはっきり警告を出しています。

「頭を高くする」「横向きに寝る」といったよく見る対処には、責任ある資料の裏づけが見つからなかったこともしっかりと調べて紹介しますね。

目次

睡眠中に鼻が詰まるのはなぜ?

寝室の窓を開けて空気を入れ替えている手元

まず押さえたいのは、鼻づまりという症状に原因が1つしかないわけではない、という点です。

日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会は、鼻づまりの多くが、かぜに伴う鼻炎、アレルギー性鼻炎、急性や慢性の副鼻腔炎などによる粘膜の腫れ、鼻茸(はなたけ)、粘った鼻汁で起こると説明しています。

子どもでは、上咽頭にあるアデノイドが鼻の奥をふさいでいる場合もある(出所:日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「鼻の症状」)。

片側だけ鼻づまりが強い場合は、鼻中隔弯曲症や、ときに腫瘍が見つかることもあるのです。

左右どちらか一方だけが、いつも決まって詰まる。これは自分で様子を見て済ませる話ではなく、必ず耳鼻咽喉科などの専門性の高い病院で診てもらうことを強くおすすめします。

夜に強く感じる理由は、公的な資料では説明されていない

「横になると鼻に血が集まるから」「自律神経が切り替わるから」。

夜の鼻づまりの説明としてよく見かける話ですが、今回あたった公的機関のページに、この説明は見当たりませんでした。

日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会が挙げている原因が、どれも夜だけ現れるものではないという印象です。

翌日の頭の働きまで持ち越される

日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会は、鼻づまりが続くとにおいが分からなくなったり、口呼吸になるためのどを痛めてかぜを引きやすくなると解説しています。

さらに、いびき、集中力の低下、疲れやすさといった全身の症状を伴うことがあるらしいです。あなたも感じたことはありますか?

日本アレルギー学会が運営するアレルギーポータルも、アレルギー性鼻炎について、勉強や仕事、家事に集中できなかったり、よく眠れなかったり、イライラしたりするなど生活に支障が出てくる、と書いています(出所:アレルギーポータル「アレルギー性鼻炎」)。

午前の会議で言葉が出てこない、午後にどうしても眠い。これは鼻づまりにより睡眠障害が発生して寝れていない副作用であると肝がられます。

寝ながら鼻づまりを治す方法はありますか?

今回たくさんのサイトを調べた中で、公的機関のページに、「寝ながら鼻づまりを治す方法」として勧められているものは、1つもありませんでした。

蒸しタオル、ツボ押し、わきの下にペットボトル。よく見かける方法はどれも、学会にも厚生労働省にもアレルギーポータルにも記載がありません。

つまり、迷信だということです。

今夜いちばん大事なのは、点鼻薬の使い方を医師に相談すること

市販の点鼻薬は、鼻粘膜の血管を収縮させることにより粘膜の腫れをひかせ、短時間で鼻の通りを良くします。点鼻薬を頻回に長期間使いすぎると、血管の薬に対する反応が悪くなってしまい、鼻がつまり、「点鼻薬性鼻炎」といわれる状態になることがあります

(出所:日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「鼻の病気Q&A」)

学会はさらに、この状態では薬が効きにくくなって回数を増やしがちになること、改善するにはまず点鼻薬の使用をやめることが必要なこと、それでもやめるのは難しいので耳鼻咽喉科の受診を勧めること、と続けています。

寝る前のひと吹きがないと眠れなくなっている。その自覚があるなら、今夜の工夫を探すより、受診の予約を取るほうが先です。やめ方まで含めて、医師と決める話になります。

つまり、耳鼻咽喉科などの専門性の高い病院にすぐに行きましょう!

ちなみに、同じ内容は、MSDマニュアル家庭版の「鼻炎」にも出てきます。

勧められているのは、鼻うがい

アレルギーポータルは、同ページの「アレルギー性鼻炎のケアについて」で、鼻に入り込んだ花粉やホコリは洗い流すのが効果的だとしています。

ただし水道水は塩素などで鼻の粘膜を傷つけるため、体液に近い組成の市販の生理食塩水を使ってほしい、というのが同ページの案内です。

あわせて、室内を加湿して水分を補うこと、空気が乾いているときのマスク、鼻をかみすぎて荒れたときの白色ワセリンや保湿ティッシュも挙げられています。

そして学会は、鼻づまりは複数の原因で生じるため原因を詳しく調べることが必要だとして、鼻腔通気度検査、音響鼻腔計測検査、鼻咽腔内視鏡検査、CT検査を挙げています。

妊娠すると鼻づまりになる理由は?

妊娠してから、横になると鼻が詰まるようになった。これは珍しいことでも、気のせいでもありません。

公的機関の資料ではありませんが、医師が執筆・監修する医学リファレンスの「妊娠中の体の変化」に、妊娠中に起きる体の変化の1つとして書かれています。

理由は「めぐる血液の量が増えるから」

MSDマニュアル家庭版によると、妊娠中は心臓から送り出される血液量(心拍出量)が平常に比べて30〜50%増加します。そのうえで、呼吸器の項にある記述がこれです。

送り出される血液の量が増えるため、気道の粘膜に流れ込む血液の量が増えてやや腫れたような状態になり、気道が狭くなります。このため鼻が詰まりやすくなったり、耳管(中耳と鼻腔を結ぶ管)の閉塞が起きたりすることがあります。こうした変化によって、声の高さや質がわずかに変わることがあります。

(出所:MSDマニュアル家庭版「妊娠中の体の変化」/執筆 Jessian L. Muñoz, MD, PhD, MPH/監修 Oluwatosin Goje, MD, MSCR/最終更新 2024年9月)

よく見かける「ホルモンのせい」は確かめられなかった

検索すると、エストロゲンやプロゲステロンの影響で鼻の粘膜が充血する、ある割合の妊婦に起きる、しばらく続いて産後には消える、といった説明が並びます。

今回、日本産科婦人科学会、国立成育医療研究センター、アレルギーポータル、厚生労働省、環境省にあたりましたが、責任の所在がはっきりした資料では1つも確認できませんでした。

MSDマニュアル家庭版の同じページでも、エストロゲンが登場するのはつわりと乳房の変化の文脈で、鼻づまりの原因としてホルモンは挙げられていません。

相談する先は、産科の主治医と耳鼻咽喉科

妊娠中であっても、もともとアレルギー性鼻炎などの鼻の病気を持っていた可能性は消えないので、まずはそこを切り分ける必要があります。

先ずは産科の主治医の先生に相談しましょう。なぜならば投薬治療が必要ならば飲んでも良い薬が限られるからです。

これは非常に大事なことですので、もう一度書きます。必ず産科の主治医に相談してください。

寝る時に鼻づまりがひどい時の体勢は?

布団カバーを外して洗濯機に運ぶ手元

頭を高くする、横向きに寝る、詰まっていない側を下にする。検索すると同じ内容を推奨している公的機関の記述は、1件も見つかりませんでした。

一応調べたページを書いておきます。厚生労働省 健康日本21アクション支援システム(旧e-ヘルスネット)の睡眠時無呼吸症候群のページには、病気の解説はありますが、体位療法や横向き寝の記述はありません。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会のページにも、体勢についての記述はありませんでした。

体勢より、いびきと呼吸の止まりを気にしてほしい

学会は、睡眠時無呼吸を、睡眠中に鼻やのどなど空気の通り道が狭くなって一時的に息ができなくなる病気だと説明し、鼻の病気はその原因の一つなので鼻の治療で治ることもあると書いています。挙げられている対処は次のとおり。

お酒をできるだけ控える、体重を減らすなどの生活習慣の改善や寝やすい寝具を使う、マウスピースや持続陽圧呼吸療法など器具を使うといった治療法があります。鼻やのどに原因がある場合には、手術も有効です

(出所:日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「鼻の病気Q&A」)

アレルギーとは

出勤前の玄関で身支度をしている足元

私たちの体には「免疫」という、病気を引き起こす異物(たとえばウイルスや細菌など)から体を守る仕組みがあります。

この仕組みが、ダニやスギ花粉、食物といった特定の異物に対して過剰に反応して、体に症状が引き起こされることを「アレルギー反応」と呼びます

体を守る働きが強すぎる方向に出ている状態です。体が弱っているわけでも、生活がだらしないわけでもありません。

日本では国民の約2人に1人が、ぜん息やアトピー性皮膚炎、花粉症(アレルギー性鼻炎)などのアレルギー疾患にかかっているとされ、厚生労働省の「リウマチ・アレルギー対策」でもアレルギー性鼻炎(花粉症)が対象疾患に明記されています(出所:厚生労働省「リウマチ・アレルギー対策」)。

ダニアレルギーで鼻がつまってるのでは?

アレルギー性鼻炎は2つに分けることができます。

ダニやホコリなどが原因で1年を通して鼻炎症状が認められる「通年性アレルギー性鼻炎」と、スギやヒノキの花粉などが原因で、花粉の飛散時期だけに症状が認められる「季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)」(出所:アレルギーポータル「アレルギー性鼻炎」)。

季節に関係なく一年中詰まっているなら、当てはまるのは「通年性アレルギー性鼻炎」です。症状の特徴として挙げられているのは、くしゃみ、透明な水様性の鼻水、鼻づまりの3つになります。

反応している相手は、生きたダニではない

主にダニのフンや、死がい(死んだダニの破片)がアレルギーの原因になりえます。

日本の室内にもっとも多いのはヒョウヒダニという種類で、チリダニと表記されることもある。増殖には60%以上の湿度と、およそ25〜30℃の温度が必要(出所:アレルギーポータル「室内環境の整備について」)。

「掃除が足りないせいだ」と決まったわけではない

掃除不足とアレルギー発症の因果関係は「はっきりとはわかっていません」。掃除をさぼったから発症したと決まったわけではないんです。

そのうえでダニが多い環境で生活するとダニがとどまり、アレルギーの原因であるフンが寝具につけられる可能性が高くなります。また、ハウスダストである部屋のホコリを減らすことは大切だとしています。ホコリを減らす意味はある。

  • 寝具やクッションは、日光や風にあてるか乾燥機を使って乾燥させる
  • 丸洗いが可能な製品を選び、こまめに洗う
  • 掃除機は、なるべくゆっくりとノズルを動かして吸引する
  • 品質の優れた防ダニシーツを使うことも1つの方法として挙げられている

ここに並んでいるのは公的機関が挙げている選択肢です。結構重要なことだらけですね。

なお、ダニを死滅させるには60℃以上の熱水処理や熱風での乾燥が必要で、冷水ではアレルゲンを洗い流せても生きているダニは死なない、という説明もあります(出所:アレルギーポータル「成人のぜん息」のQ&A)。

60℃以上の熱水処理や熱風での乾燥は平日の朝に布団を干してから出勤するのは厳しいですね💦

ダニ対策をすれば鼻づまりが治るわけではありませんが、アレルゲンを避ける環境整備は非常に重要だと思います。

アレルギー性鼻炎の治療

アレルギー性鼻炎の治療方法は大きく3つです

治療公的機関の説明
薬物療法鼻水をおさえる抗ヒスタミン薬の飲み薬、鼻の炎症をおさえる点鼻ステロイド薬、鼻づまりを改善する作用があるロイコトリエン受容体拮抗薬などが用いられる
アレルゲン免疫療法原因となるアレルゲンを投与し、体のアレルギー反応を弱める治療。減感作療法とも呼ばれる
手術療法鼻の粘膜をレーザーで凝固する下鼻甲介粘膜焼灼術などがある
環境整備症状の原因となるダニやスギ花粉などのアレルゲンを回避する環境整備も重要とされる

抗ヒスタミン薬には眠気などの副作用がありますが、近年は眠気のあらわれにくい薬もあるとされています。日中の眠気が怖くて受診をためらっている方は、そこも含めて医師に伝えてください。

アレルゲン免疫療法の舌下錠は、日本ではダニとスギ花粉が対象で、治療には数年以上が必要とされています。

手術では、鼻粘膜を麻酔してから表面を医療用レーザーで焼く方法があり、学会は「効き目には個人差がありますが、約9割の方で効果が見られます」と記載しています(出所:鼻の病気Q&A)。

治るのか、治らないのか

学会は、子どものアレルギー性鼻炎について、体質との関連が強く完治は難しいものの、治療や日常生活上の注意で症状を軽くすることはできるとされています(出所:日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「子ども・アレルギー性鼻炎」 Q3)。

アレルギー治療の問い合わせ先

いまの状態相談先
一年中、季節に関係なく夜に詰まる耳鼻咽喉科・アレルギー科
左右どちらか片側だけがいつも詰まる耳鼻咽喉科(鼻の中を見てもらう)
市販の点鼻薬が手放せなくなっている耳鼻咽喉科
いびきや、寝ている間の呼吸の止まりを指摘された耳鼻咽喉科
子どもが口を開けて寝る、いびきをかく、夜中に起きる小児科・耳鼻咽喉科
妊娠中で鼻が詰まるまず産科の主治医。薬の相談窓口も全国にある

この記事は、公的機関と、医師が執筆・監修する医学リファレンスの記述をまとめたものです。診断や治療の代わりになるものではありません。

「病院に行くほどではない気がする」。その判断を毎晩くり返して、翌日の集中力を少しずつ削っている自覚があるなら、休みの日に一度だけ確かめに行ってみてください。

やはり、アレルギーに関してはまず原因を確定させることが重要だと考えます。

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